
スティールチャレンジは、5枚の鉄の的をいかに速く撃てるか、というスポーツ射撃競技です。
ステージは8つ。
各ステージ、5枚のうち4枚は自由に撃つことができます。最初の4枚に命中させてから、最後にストップターゲットを撃ちます。合図から5枚目のターゲットを命中させた時のタイムの速さを競います。
的の高さは、丸いターゲットが5フィート、長方形のターゲットが5フィート6インチ。ただし、『ペンジュラム』というステージの左右の丸いターゲットのみ、高さが6フィートになります。
丸いターゲットの大きさは、直径10インチと12インチがあり、ステージによって決まっています。長方形のターゲットの大きさは、18×24インチの縦長になります。
シューティングボックス(撃つ所)は、外側で3×3フィート。『アウターリミッツ』というステージだけ4×4フィートになります。








各ステージを(オートマチックのハンドガンで)撃つ時、撃つ前にやるルーティーンがあります。
シューティングボックスに入り、レンジオフィサー(RO)が
Load and make ready.
または
Make ready.
と言ったら、シューターは撃つ準備をします。
まず、ホルスターから銃を抜いたら、スライドをオープンさせて、チェンバーに弾が入っていないことを確認します。
次に、銃をホルスターに戻し、ハンズアップからドロウして、ステージの最初のターゲットを狙ってみます。
実際にトリガーを引いても構いません。レットオフの感じを確認します。
スライドを引いてチェンバーが空なのを確認していますので、ハンマーやストライカーが作動する状態になっていますから、最初のターゲットを狙う時は、弾が飛ばないだけで実際に撃つ時と同じ感じで空撃ちできます。
そのまま次のターゲットをサイティングしながら、サイトピクチャーを作り、人差し指を動かして、各ターゲットを狙い、ターゲットの位置を確認します。
ストップターゲットまで狙ったら、スライドを引いて再びホルスターに戻します。
そして、もう一度、空撃ちします。
通常、2〜3回くらいでしょうか。空撃ちしながらステージや自分のコンディションを確認したら、マガジンを差し込み、スライドを引いて、弾をチェンバーに送り込みます。
ここでスライドを少しだけ引いて、弾がチェンバーに装填されているかを確認します(必ず確認したいところですが、絶対ではありません)。
銃をホルスターに戻します。
ここまでの「撃つ準備」にかけられる時間は、「Make ready.」の合図から、最長で1分です。
ハンズアップしてうなづくと、レンジオフィサーが合図を出します。
Are you ready?
Stand by.
Beep(Start signal)
一所懸命、撃ちます。
スティールチャレンジは、ひとつのステージを5回撃ち、一番遅かったタイムを除外し、4回の合計タイムがそのステージのスコアになります。ただし『Outer Limits』というステージのみ、4回撃ってベスト3の合計タイムがスコアになります。
弾が切れたなどの理由で、5枚目のストップターゲットを撃てなかった場合、タイムは30秒になります。
30秒以上かかって撃っても構いませんが、記録は30秒です(30秒を過ぎると、レンジオフィサーが優しく教えてくれます)。
4枚の各ターゲットを命中させないまま、5枚目のストップターゲットを撃ってしまった場合、1枚につき3秒のペナルティー。
もしも5枚目のストップターゲットを2回撃って2回とも命中させてしまった場合、2回目に中てたタイムがスコアになります。
とりあえず、このくらい知っておくと、戸惑うことなく普通に練習できます。
ステージを撃ち終わると、
Unload and show clear.
や、
If you are finished, unload show clear.
というレンジオフィサーの声で、スライドを引いてチェンバーの弾を抜き、スライドを引いた状態でチェンバーが空であることを確認します。
スライドをゆっくり戻したら、
If clear, hammer down, holster.
といった合図がありますので、トリガーを引いてハンマーやストライカーを作動させ、ホルスター(やレンジバッグ)に戻します。
スライドをオープンさせた状態で、チェンバーにフラッグを差(してホルスターに戻)す場合もあります。
レンジオフィサーが、シューターが「撃ち終わった」ことを確認すると、
Range is safe.
と、宣言します。
撃ち終えたターゲットをペイントしたりしながら、次のシューターのための準備をします。
Range is safe.
の合図があったら、ホルスターに収められた自分の銃を抜いたり、レンジバッグに入れた銃を取り出したりしてはイケマセン。
とにかく、銃には触ってはいけません。
Make ready. から Range is safe. までの間、一貫してシューターがしていることがあります。
銃口管理と、撃つ時以外は引き金に指をかけないということです。
英語では、マズルコンシャス(muzzle conscious)、トリガーディシプリン(trigger discipline)と言います。
撃つ時以外←自分→撃つ時だけ
撃つ時「だけ」トリガーに指をかけるようにするということは、撃つ時「以外」はどんな時でもトリガーに指をかけないということです。
ここでの「撃つ」とは、自分の意思で「撃とう」と標的を狙っている状態です。
この状態にも程度があります。
銃口がほぼ標的に向いてサイトピクチャーができたところ
銃口が標的のどこに向いているのかを認識しながら、引き金に力を入れ始めたところ
いつ引き金を引き切るかを認識しながら、いつ発砲させるかを決めているところ
狙ったところに中てると決めて、発砲するところ
それぞれのタイミングで、人差し指に込めるトリガーへの力の入れ具合が異なります。
取り扱う銃の特徴により、力の入れ具合も異なります。
銃を取り扱う時の状況により、自分が認識している力の入れ具合と、実際に込められる力の入り方にズレが生じる場合があります。
銃を取り扱う時は、そのギャップも自己責任です。
リラックスしている時と、ハイストレスな状態では、自分のコンディションに変化があるということです。
それを自覚していないと、「思ったよりも早く弾いてしまった」とか、「いつもよりトリガーが軽く感じてしまって」といったことが起こります。
そういった感想も、すべて自己責任です。
自分自身は銃口管理ができていたとしても、自分以外の何かが、自分の意思とは関係なく、銃口が向いている方に近づいてくる場合もあります。相手チームからオフサイドを仕掛けられるような状況です。これはトリッキーですが、偶然そのような状況になったとしても、自己責任です。
仮に相手の過失が認められたとしても、銃口の先に入ってきた相手や何かを傷つけてしまったなら、それは元には戻らないかもしれません。
「銃口管理」とは、
「狙い撃つ対象にのみ銃を向ける」こと。
「撃つ時以外は引き金に指をかけない」とは、
「適切なタイミングで正しく引き金を弾ける」こと。
これらがきちんとできる人は、かなり真面目に練習してきた人です。
Range Rules
- Always keep the firearm pointed in a safe direction, Away from people.
Be muzzle conscious. Always know where the muzzle of the firearm is pointing. Never allow your firearm to point at people, even when it is unloaded.
- always keep your finger off the trigger until ready to fire.
Because the firearm is designed to fit a human hand, your finger will instinctively go to the trigger. This is how most accidental discharges occur. You must make a conscious effort to keep your finger outside the trigger guard alongside the frame.
- Always Know Your Target and What is Beyond it.
A handgun is capable of projecting a bullet for distances up to 2km’s, and you are liable for where the bullet stops. Therefore, before firing a shot, you should know not only what your target is, but where the bullet will come to rest, too.
- Always Treat Firearms as if it were loaded.
If you are always treating a firearm as if it were loaded, safe handling will become automatic and you will be demonstrating a responsible attitude to those around you.
Trigger discipline is a state of mind where the shooter keeps his or her finger outside of the trigger guard area, usually pressing it against the frame above the trigger area and parallel with the barrel, until ready to fire the gun. This can be a difficult habit to acquire but is absolutely necessary for the safe handling of a firearm. Practicing trigger discipline is one of the four universal rules of safe gun handling.
The four universal rules of safe gun handling
- Always keep firearms pointed in a safe direction.
- Treat all guns as though they are always loaded.
- Keep your finger off the trigger until you are ready to shoot.
- Always be sure of your target and what’s behind it.