ダットサイトをスライドに載せる前に確認しておきたいこと

アカデミーメンバーがHOLOSUNのリフレックスサイト(ダットサイト)をマイガンに取り付けるべく、日本で購入してグアム入り。

しっかり取り付けてイザ実射。

「お〜! 狙いやす〜い! 中る〜!」

最初は良かったんです。

だんたんターゲットに中らなくなってきました。

「ん? フリンチ? ガク引き? フリンチ沼ですか〜(笑)?!」

銃に触れるくらいの距離まで近づき、フロントサイトの動きに注目。あれだけゆっくり慎重に撃っているのに、こんなに中らないはずはないと、空撃ちさせてもらいました。

「お?! ハンマーが落ちるとダットがズレる感じがするね〜」

SIG SAUER P226 Pro-Cutに取り付けたHOLOSUNの407C X2に、そ〜っとヨー方向に力をかけてみました。

「あ、動く、、、0.08mmくらい、いや、もっとかも」

本人にも確認してもらったら、「あ、確かに」と、、、

で、付属のネジを締め直そうとしたところ、本人曰く「イヤな感じがする」と、、、

ねじ込み具合がスムーズではないので、スライドのネジ穴にタップをかけてネジ山をきれいに整えたくなるような違和感があるとのこと。

「銃のスライドは十分硬いし精度が出ているはずだから、ネジの方に原因があるのでは?」

と、ネジを外して見てみると、なんだかピッチが合っていない感じが、、、

「ってことは、もしかしたら、前に手に入れたSHADOW SYSTEMSのMR920もそうなのでは?」

と、確認してみたら、こちらも同様に。

「じゃあ今回取り付けたH&KのVP9Lもそうなんじゃん?」

と、こちらも確認してみたら、アラアラ同様に、、、

「3挺ともアカンやん」

SHADOW SYSTEMSのMR920のバッグに入っていたマニュアルを見てみたら、オプティックレディーのスライドが付いたモデルのための、ダットサイトを取り付ける時のネジについての説明書きが。

さらに! ネジが付属しているではありませんか?!

「なんでこのネジを使わなかったの?」

と、メンバーさんに聞くと、

「サイトに同梱されていたネジで付くものだと思って、特に気にもせず、、、」

ですよね。
サイトに一緒に付いてきたら、
それを使うと思いますよね。

サイトに付いてきたネジを外して銃に付いてきたネジを取り付けてみたら、も〜超〜バッチリガッチガチって感じで付きました。

MR920、一気にリジット感マックスです。

MR920: How to Mount your Optic (Optic Ready Slides ONLY)

HOLOSUNの508T-RD X2や407C X2のフットプリント(ネジの位置)は、TrijiconのRMRのそれと同じです。

Trijicon RMR features the Trijicon RMR mounting standard.

Dimensions of the Trijicon RMR footprint

Holosun 407C X2 features the Trijicon RMR mounting standard.

Dimensions of the Holosun 407C X2 footprint

Holosun 508T X2 (both RD and GR models) features the Trijicon RMR mounting standard.

Dimensions of the Holosun 508T X2 footprint

HOLOSUNのサイトがRMRのフットプリントと同じであること。それは良く分かりました。

で、スライドに切ってあるネジ穴なんですけど、インチですか? メートルですか?

アメリカ国内で、既存のスライドをガンスミスがミリング(加工)して開けられた穴はインチだとか? 6-32×5/16″とか、4-40×1/4″とか。

皿子ねじのザグリ(皿モミ)の部分の角度ですけど、TrijiconやHolosun用のそれは82度のようです。

ザグリの角度が合っていないと、ネジと穴が面で接触せず、きちんと締結されません。

SIG SAUER P226 Pro-Cutは?

ん? もしかして、SHADOW SYSTEMSのMR920用のネジを使えば、プレート無しでスライドに直付けできちゃう?!

H&KのVP9Lは?!?

スライドにマウントするプレート用のネジはM4x6mmのメートルねじで、プレートに取り付ける407C用のネジは4-40x.280のインチねじ。

オプティックサイトをオートマチックピストルのスライドに直付けする方法、なかなか奥が深いです。

もっと勉強します!

追伸 1
アップする前に、数時間ほどアタマを冷やしてから、もう一度確認してみました。

さらに調べてみたところ、SIG P226のRMR用のネジ(穴)のサイズは、6-40のインチねじでした。RMRのネジは6-32のインチねじでした。

407Cに付属のネジが6-32のインチねじだとしたら、だからP226のネジ穴には太くて違和感があったとか?

Shadow Systemsに同梱されていたRMR用のネジは、ねじの部分はM3*でしたが、サイト本体を通る皿モミ近くの部分が太くなっています。
* さらに良く調べた結果、M3ではなく6-40でした(「追伸 3」をご参照ください)。

あぁ〜なんとなく見えてきました。

まずはとりあえず、P226のネジ穴の中でネジ切らずに良かったです。さらにVP9Lに関しても、スライドのネジ穴がメートルねじであることが確認できたので、もう一度あらためて組み直してみたいと思います。

あ〜勉強になりました。

追伸 2
2日で2,000発以上撃ったのに、すぐに気がつけずに申し訳なかったです。

追伸 3
メンバーさんにその旨ご報告しました。すると彼も調べてくれていて、詳細を教えてもらいました。

こちらも調べました。
結論ですが、P226やMR920のネジ穴は#6-40のネジ穴で、Holosun付属のネジは#6-32のようです。

ミリネジの小ねじで細目ピッチというものが存在しないので盲点でした。

#6-32がUNC規格の並ピッチで#6-40がUNF規格の細目ピッチです。

精密に締め付ける必要があるので#6-40が適していますね。

太さ自体は両方とも同じなので入っていきます。

普通ならネジ穴も壊れますが、銃のスライドは焼き入れされてるので助かりました。

おぉ〜! どうもありがとうございます!

インチネジの参考までに

インチねじサイズ表

インチねじ(ユニファイねじ)とは? 呼び方と基準寸法

ユニファイ並目ねじ UNC(Unified Coarse screws)
No. 6-32 UNC
おねじ 外径d 3.505mm 有効径d2 2.990mm 谷の径d1 2.647mm

ユニファイ細目ねじ UNF(Unified Fine screws)
No. 6-40 UNF
おねじ 外径d 3.505mm 有効径d2 3.094mm 谷の径d1 2.817mm

グアムシューティングアカデミー、ご帰国後も生徒さんに助けられながら、工学系のアカデミックな話題でたいへん盛り上がりました(僕が)。

アカデミーについて(グアムシューティングアカデミー)

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